院長あいさつ
新潟県立新発田病院のホームページへようこそ

令和4年4月1日より、前院長の塚田芳久先生の後をついで院長に就任いたしました田中典生と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
当院は、7つある新潟県の医療圏の中で一番北にある下越医療圏の中心である、新発田市(しばたし)にあります。下越医療圏の面積は神奈川県とほぼ同じですが、人口は20万人弱で、隣の新潟医療圏の一部を含めると対象人口は約30万人となっています。圏域内で唯一、救命救急センターを有する急性期病院であります。高度医療である心臓カテーテル治療、脳卒中にたいするカテーテル血栓回収、がん治療、大血管の手術は当院に集約され「北の砦」としての役割をはたしております。
さて、この地域の特徴は、日本全国どこの地方でも同じと思いますが、人口減少の歯止めがききません。高齢化率も高いわけですが、高齢者の実数は多くの市町村ですでに減少に転じています。そこで働く医療人材も当然少なく、その確保が課題となっています。この少ない医療人材資源で良質の医療を提供するためには一つの病院の頑張りだけでは当然かないません。地域の中の医療機関同士の協力が必至です。幸い地域の医療機関同士の連携はうまくいっており、いわゆる顔の見える関係が構築されております。急性期、回復期の役割分担もおおむねできておりますが、何せ面積が広いので救急医療、特に2次救急の受入れ体制の整備がもう少し必要であると考えています。現在、当院が中心となり、関係する医療機関24施設とともに北部医療機関管理者協議会を立ち上げ、毎月の救急患者データを収集するとともに、2か月に1回フランクなスタイルのWeb会議を開催し、収集データの分析や地域医療に関係したセミナーを行っており、地域医療、特に救急について管理者みんなで情報を共有し、検討をすすめているところであります。今後は、現場で働く若い医療者にも連携に対する意識を高めていただき、地域医療を発展させていくことが必要と考えております。
地域にお住いの皆様には、このような地域の実状もご考慮いただき、ご病気の際には、まずはお近くの診療所の先生、あるいはお近くの病院にもご相談いただき、高度な医療が必要と判断された場合には、多少通院距離が遠くなることもあるかと思いますが、新発田病院まで来ていただければと存じます。
今後も、迅速で、安心で、安全な医療を提供してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和7年5月
新潟県立新発田病院
院長 田中 典生