院外報・新発田病院だより

Web版新発田病院だより 第21号2006年2月

新病院を間近に控えて
県立新発田病院長 関根 輝夫

皆様新年明けましておめでとうございます。昨年は中越地震の後遺症も冷め遣らぬまま、12月には大規模停電に見舞われるなど大変な年でありましたが、今年こそは災害のない平穏な、そして皆様が健やかに過ごされる年でありますよう祈念いたします。

さて今年は当院にとって待望久しい移転の年であります。建物は設計図通りに着々と進んでおります。病室からは雄大な二王子連峰が眺められます。新発田市が予定している医療福祉公園と相俟ってすばらしい環境が整備されることでしょう。順調に行けば8月15日に竣工し、11月1日に開院の予定であります。

一方、建物にふさわしい院内体制を整備しなくてはなりません。新病院の理念としては?県北の急性期医療を担い、質の高い医療を提供すること、?患者さんに優しく安全で信頼される病院を目指すこと、?保健福祉・医療機関と連携して地域の基幹病院としての役割を担うこと、?教育・研修を積極的に行い、医療の未来に貢献できる人材を育てること、を掲げております。この中でも地域連携は重要な課題であると考えております。医療機関を有効に活用するためにも風邪や腹痛など一般的な病気と考えられる場合、先ずはかかりつけ医に診ていただいてください。病院での検査、治療が必要な場合はちゃんとかかりつけ医が判断してくださいますので、紹介状をもらって病院を受診してください。そして病院での治療が終わったら再びかかりつけ医へ戻っていただくか、あるいはなお一定期間療養を要する場合は療養型の施設や福祉施設をご紹介いたします。このように餅は餅屋でお互いの医療機関が機能を分担し合うことが現在の医療界の流れであります。新病院では地域ぐるみで医療を支えあう地域完結型医療を実践するために地域医療センターを設置しますので大いにご利用いただきたいと思います。

健康のためにちょっと役立つ話健康のためにちょっと役立つ話
変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術

整形外科 渡部 和敏

【はじめに】

変形性膝関節症とは、関節の軟骨が磨耗・消失する退行性変化と反応性の骨棘形成を主体とする増殖性変化により関節炎や変形(O脚)が起こり、その結果として膝の痛み(立ち上がり動作・歩行・階段昇降)、関節水腫(膝の中に水がたまる)、可動域制限(曲げ伸ばしの制限)を生じる疾患です。わが国での疫学調査では、70歳以上の女性の30%以上にX線検査で変形性膝関節症がみられるとの報告があります。

【治療】

変形性膝関節症の治療の最大の目的は、変形の改善というよりもいかにして痛みを軽減させるかということであり、そのためにはまず以下のような保存療法が行なわれます。

  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤(内服薬、坐薬、塗り薬、貼り薬など)
  • 関節内注射(ヒアルロン酸・・・軟骨の修復作用)
  • 装具療法(足底板、サポーター)
  • 運動療法(可動域訓練、筋力訓練)

比較的高齢者で、保存療法を行なっても痛みがとれず、歩行困難を伴なう場合には手術療法(人工膝関節置換術)の適応となります。

【人工膝関節置換術について】

当院ではクリニカルパスを導入し、患者さんに入院から退院までの必要な事項、手術、検査、処置、リハビリテーションなどの目標設定を立て、入院期間の短縮と医療の効率化をめざしております。

  • 手術は腰椎麻酔と硬膜外麻酔を併用して行ないます。
  • 手術後は、血栓予防のためのフットポンプを装着し、アイシングにより膝の腫れと痛みの軽減をはかります。
  • 手術後の出血した血液を回収し、本人に返血します。(自己血回収血輸血)
  • 手術後のリハビリテーション
     手術翌日:CPMを使い、膝の可動域訓練を開始します。
     5〜6日:下肢静脈造影検査(血栓の有無を確認)
    リハビリ室で歩行訓練、膝周囲筋の筋力訓練、膝可動域訓練
     3週:T字杖歩行
    階段昇降ができれば退院日(4週以内)を設定します。
【合併症について】
  • 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
    下肢の静脈に血栓という血の塊ができるもので、大きな血栓は肺血栓塞栓症となり、呼吸困難や極めて稀ですが生命にかかわることもあります。
    当院ではフットポンプを用いた予防対策と、歩行前に下肢静脈造影検査を行なって血栓の早期発見、早期治療に努めています。
  • 感染(化膿)
    術後に感染が起きると人工関節を抜去することになり、長期間の治療が必要となります。感染はいつ起こるかわかりません。当院では、クリーンルーム(無菌手術室)での手術、抗生剤の予防投与、定期的な血液検査を行なうなどの対策をとっています。
  • 人工関節の磨耗・ゆるみ・破損
    現在の人工関節の耐久性は10〜15年と言われていますが、手術後は具合がよくても定期的に診察を受けられることをお勧めします。

変形性膝関節症で治療を続けているが、痛みがとれず歩行困難で困っている方は、当科を受診され相談してみて下さい。

臨床工学技士について

臨床工学技士は1988年に臨床工学技士法に則って生まれた新しい医療職種です。その主な業務は、病院で使用されている生命維持管理装置や、ME機器とよばれる医療に使用される機器の操作及び保守管理を行います。生命維持管理装置とは人工呼吸器や人工心肺装置、人工透析装置など人体の臓器の機能の一部を代替する機器のことです。

近年の医療機器技術の進歩・発展は著しく、使用者が容易に理解できないような原理を用いた機器が多数存在します。非常に高度なため、機器に不具合が発生した場合は、製造したメーカーでないと対処できないというのが現状です。そこで、われわれ臨床工学技士がメーカーと臨床の間に立ち、メーカーから不具合時の対処を含めた高度な情報を得ることで迅速な対応を図り、また不具合発生をいち早く察知するためにも定期点検などの保守管理を行っていきたいと考えています。

移転予定の新病院では、院内の医療機器やその情報を集約し、医療機器の保守管理を行うMEセンターが設置されます。ここでわれわれは多くの医療機器の保全に努め、よりよい状態で使用していただきます。また人工心肺業務、人工透析業務ではわれわれの臨床的知識、工学的知識を生かして、患者様にとって安全で快適な治療を追及し提供いたします。このように院内の医療機器使用環境を整備することで、患者様へ安心で安全な医療を提供することを念頭におき、今後の業務の確立・拡大を進めていきたいと考えています。

携帯電話の使用緩和について
機能向上委員会 石田 明子

平成18年1月から病院内で携帯電話が使用できるようになりました。
以前はかなり医療機器に影響を及ぼすとの情報がありましたが、いろいろな調査の結果、影響もすくないことも分かってきました。ただ病院の中には精密な医療機器も当然あります。またペースメーカーなど身体に大事なものを使用されている方もおります。電波が医療機器に影響を及ぼすことは皆無ではありません。

携帯電話の使用に関して、次のルールを守っていただくことをお願いいたします。
1. マナーモードで対応して下さい。
2. 周囲の方々にご迷惑を掛けないようにお願いいたします。

使用禁止区域は、ICU室・手術室・透析室・病棟処置室です。
ここでは携帯電話の電源を必ずお切り下さい。皆様方のご協力をお願いいたします。

新病院情報コーナーNo.11

Q:
テナントにはどのようなお店が入りますか。
A:
病院とリウマチセンターの間には、駅と駅前商店街を結ぶ開放的な空間としてホスピタルモールを設けます。
店舗や地域連携センターを配置し、患者の皆様や地域の方々が利用できるようになります。
なお、テナントには、次の店舗が入居する予定ですので、ご利用ください。
1F/
売店1(弁当、飲物、雑貨等)、店舗2(パン・ケーキ販売、コーヒー等)
自販機コーナー(各種飲物自販機、テレホンカード機)
2F/
レストラン(外来食堂、職員食堂)
3F/
売店2(衛生材料、医療品、日用品、食品類等)、理美容室
11F/
パントリー、喫茶店業

投書箱から

《患者さんからの声》
看護師さんがみんな優しくいい声で話して下さって、とても気持ちいい入院生活が出来ました。ありがとうございました。一つお願いがあるのですが、洋式便所がもう一つあれば(ひざが痛いものですから)良いと思います。

*回答*
お言葉、ありがとうございました。これからも、皆様に気持ちよく入院生活を送っていただけるよう心を込めて看護をしていきたいと思います。洋式便所の増設の御意見はよく理解できますが、来年の秋に新病院への移転を控え、1年弱の使用のために新たな設備投資を行うこととなるため難しい状況です。御不便をおかけしますが御了解ください。